【ネタバレあり】日向坂46ドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」を観て感じたこと

※この記事には映画のネタバレを含みます。映画「3年目のデビュー」を観た後に読むことをおすすめします。

 

 

 

新型コロナウイルスによる延期を経て8月7日に公開された日向坂46のドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」。先日この映画を観てきたので今回はその感想を思いのままに書いていこうと思います!

 

この映画は日向坂46のデビュー1年目に密着した映画で、前半にはデビューまでのひらがなけやき時代の軌跡も描かれています。時系列順に丁寧に作られているので、最近日向坂を知った人にもわかりやすい内容になっていると思います。ただ、やはり2時間でひらがなけやきから日向坂までの全てを描くのは大変だと感じたので、映画を観る前でも観た後でもいいので書籍「日向坂46ストーリー」やTBSチャンネルで放送され、動画配信サービスParaviで配信中の「セルフDocumentary of 日向坂46」も見るとさらに楽しめると感じました。

メンバーは笑いあり、涙ありみたいな感じで宣伝していましたが、涙の部分はさておき笑いの部分は日向坂をより深く知っているかどうかに比例すると感じました。「日向坂で会いましょう」などで語られていたエピソードトークを覚えていたりするとこのあたりは楽しめそうです。なのでバラエティ的な笑いというよりは懐かしさとか微笑ましさからくる笑いだと思った方がいいですね。

 

この映画を観て強く感じたのはキャプテン・佐々木久美の存在の大きさです。ささくがキャプテンじゃなかったら今の日向坂はないと思うし、日向坂のキャプテンに相応しいのはささくしかいないとまで思います。もちろんいろんな経験を通して成長している部分もありますが、ささくの場合はキャプテンに任命される前から非常に頼もしさがあり、特にTIFでメンバーに喝を入れたシーンや武道館3Daysの本番前のシーンでは顕著に感じます。また、他のメンバーが下を向いているような状況でも常に前を向いているところが日向坂を引っ張るキャプテンたる所以なのだと思いました。アイドルである以上いつかは卒業する日が来るのでしょうが、一日でも長く居てほしいと感じました。

 

そしてもう1人この映画の中で大々的に語られていた部分がセンター・小坂菜緒です。

2期生ながらデビュー曲「キュン」でセンターに選ばれ、そこから「ソンナコトナイヨ」まで4作連続でセンターを務めました。途中のインタビューで「他のアイドルグループではなく“ひらがなけやきに”入りたかった」と語るシーンがあり、こさかなは日向坂のセンターになるべくして入ってきたのだと感じました。

センターというポジションは誰もが憧れる花形というイメージがありますが、必ずしもそれだけではないということをこの映画を観て改めて感じました。表では気丈に振舞っていても裏では常に苦悩や葛藤があり、グループの先頭であり中心であり顔でありながら一方で孤独な存在でもあるのだと思いました。

体調不良でイベントを欠席した時の裏側も描かれており、他のメンバーが代役を務めるものの上手くパフォーマンスできない様子にはフィクションでは描けない本質的な部分が出ていたと感じました。いかにセンターの存在が重要であるか、だからこそそのポジションに穴を開けてしまうことがどれだけ責任を伴うものかということを深く思いました。しかしそれを経たことによってセンターとそれ以外のメンバーの間でお互いへのリスペクトや信頼関係がより深まったことが日向坂というグループをより強くしてくれたと感じました。

終盤に出てきた「日向坂46×DASADA LIVE&FASHION SHOW」では映画の撮影により再びセンター不在の状況になりますが、先述のイベント時とは全く違う非常に頼もしいパフォーマンスを披露し、遠くの地で孤軍奮闘するこさかなもそんなメンバーのことを深く信頼しているからこそ安心して撮影に集中できている様子を見ることができました。

先日1stアルバムのリード曲「アザトカワイイ」のフォーメーションが発表され、こさかながデビュー以来守ってきたセンターの座を譲ることが決まりました。それを受けて公開されたブログにはこれまでセンターを務める中で心の内に秘めてきた思いが綴られていて、これを踏まえて再び映画を観るとまた一つ違った視点で見ることができそうだと感じました。

 

そしてこの映画を語る上で外せないのが卒業メンバーについてです。

ひらがなけやき時代から中心メンバーだった柿崎芽実は人一倍「ひらがなけやき」に対する愛着が深く、改名からデビューに至るまでの間は素直に喜びきれない複雑な心情が見られました。そしてそれから程なくして表舞台から姿を消し、久しぶりにファンの前に姿を現した卒業セレモニーではこれまで語られなかった本当の卒業理由が明かされることになります。自分も当時その話は聞いていましたが、あくまで噂程度でしかなかったので、今回の映像を見て改めて本当のことだったのだと感じると同時にこの映像を流すことを決断した制作スタッフの思いも感じることができました。

その後の映像でいなくなった芽実のポジションを埋めてパフォーマンスする様子を見ると、もしこの時芽実がいたら...とついつい想像してしまうところが彼女の存在が今でも大きいものであることを感じます。

そしてもう一人の卒業メンバー・井口眞緒についてもこれまで明かされなかった裏側の映像が公開されました。井口がメンバーに活動自粛を伝えたシーンでは怒りや情けない気持ちを持ちながらも一方で井口と再び活動できる日を待つメンバー達の複雑な心境を読み取ることができます。ささくの「毎日ダンスの練習するんだよ!」と厳しく声をかけるシーンはまさにそれが現れており、突き放すことも可能でありながらどのように声をかけたらいいのかということを悩んだ末のあのセリフなのだと感じました。

そして卒業を発表し久しぶりにメンバーと対峙したシーンではこれまでの緊張の糸が解け久しぶりに会えたことに喜び抱きしめ合う光景に思わず感動してしまいました。このシーンでは井口がメンバーという存在を越え、いかにみんなから愛され、みんなの支えになっていたかということを強く感じることができました。井口本人も日向坂を愛し、グループのことを深く考えているからこそ身を引く決断をしたのだと思いました。

 

もう一つ個人的にトピックに思ったのが3期生・上村ひなのです。

ひなのは表ではいい意味で何を考えているかよくわからないような不思議な世界観を持っていることが魅力でもありますが、この映画の中ではそんなひなのの今までに見たことがない表情を見ることができます。

たった一人で加入し、そこからすぐにデビュー、そして瞬く間にグループが大きく成長していく様子は本人にとっては非常に大変であったと思います。振り付けやフォーメーションも一気に叩き込まねばならず、その苦労は計り知れないものです。

しかしそのような状況であっても優しく支えてくれる先輩メンバーの存在があったからこそへこたれず逞しいパフォーマンスを見せてくれたのだと感じました。

普段表で見せるひなのの表情はもちろん素の部分もあるとは思いますが、内に秘める様々な悩みなどを出さないようにしていると思うと、実は物凄く強く逞しいのではないかと思い直しました。でもあんまり無理はしすぎてほしくないですけどね。これは余談ですが、ひなのと(長濱)ねるを並べて語ることはあんまり好きではないですが、ひなのの泣き姿を見てやっぱりねるに似てるな〜と感じてしまいました。

 

そして最後に語りたいのが4thシングル「ソンナコトナイヨ」に収録されている「青春の馬」の振り付けをTAKAHIRO先生が担当し、それを初めてメンバーが見るシーンです。

デビュー後の日向坂においてグループのカラーや方向性をどうするのかということは最大の命題であり、そのことについてメンバーがそれぞれに悩み考えてきました。デビューシングル「キュン」以来キャッチーで可愛い曲が続いていたことから、このような路線で行くのだろうか、しかしそれだけでいいのだろうかという思いもあったと思います。

そのようなタイミングでこの曲が与えられたことは運命的であり、ひたすらがむしゃらに彷徨っていた日向坂に一つの答えを与え、今後の道を決めてくれた曲であると感じました。

そのようなことを丹生ちゃん(丹生明里)が語っているシーンがあり、普段は天然で明るいイメージの強い丹生ちゃんが実はこんなにもグループの未来について深く考え悩んでいたのだということを思い知りました。

DASADAライブでのお寿司(金村美玖)のパフォーマンスも非常に力強く高い表現力のダンスに 凛々しくかっこいい表情で何度見ても思わず見入ってしまう圧巻のパフォーマンスだと思います。もちろんこさかなのセンターも好きですが、またお寿司がセンターを務める様子を見たいと感じます。

元々好きだった「青春の馬」ですが、この映画を観てますます思い入れの深い日向坂には欠かせない一曲になりました。

 

 

 

というわけで映画「3年目のデビュー」を見た感想をバーッと書いてみました!普段のブログ記事ではもう少し読みやすくまとめたりするのですが、今回はとにかく自分の思いのままに書き綴ってみました。

あとエンディング曲は意外なあの曲なのですが、非常に映像とよく合っていてこの映画の最後にふさわしいものだったと思います。監督さんのセンスに脱帽しました。

日向坂46ドキュメンタリー映画3年目のデビュー」は全国で絶賛公開中ですので、まだ観てない方も、そしてすでに観たという人もぜひ映画館に足を運んでほしいと思います!

 

「3年目のデビュー」公式サイト

「3年目のデビュー」公式Twitter